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美容業界に浸透する“クリーンビューティ”とは?

  • moekyra
  • 2020年1月16日
  • 読了時間: 6分

更新日:2023年6月11日

ファッション・ビューティ界を中心に、“サステナビリティ(持続可能性)”の勢いが止まらないなか、密かにそして着実に定着している言葉といえば、“クリーンビューティ”。業界関係者だけでなく、セレブやミレニアル・Z世代が実践するナチュラル美容の実情や、エシカルなコスメ・スキンケアブランドをチェックしてみよう。


製品への規制が緩い!? 美容界の真実。

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“クリーンビューティ”とは、一般的に自然環境や私たちの健康に影響を及ぼす可能性のある有害な成分を含まず、エシカルに調達された原料を用いた無毒なスキンケアやコスメと、その使用を意味する。他にも、肌に栄養を与えるオーガニック製品や、植物由来、クルエルティフリー(動物実験を行わない)など、いわゆる“ナチュラル”なパーソナルケアを指す。


これまで、美容品の広告等に繰り返し表示されてきた、“ナチュラル”という表記の信頼性が薄れてきたため、ミレニアル・Z世代を中心に、透明性の高い“クリーンビューティ”を実践・求める消費者が増えている。


一方で、パーソナルケア業界で頻繁に使われている“クリーンビューティ”にも、正式な定義や規制がなく、法律が曖昧な状態が続いている。ヨーロッパ諸国では、美容品への使用が禁止されている成分が1,000種類以上あるにも関わらず、アメリカで禁止されているのはたった11種類。アメリカでの美容品規制には、連邦食品医薬品化粧品法が唯一の法律であり、1938年の成立以来、法律の修正がほとんどなされていないため、非常に緩い業界だといわれている。そのため、パッケージの前面に掲載されるキャッチコピーは、成分表示ラベルと一致する必要がなく、コスメやスキンケアには発がん物質や有毒成分を含むものも多いという。


美容品を購入する際の注意点。

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アールエムエス ビューティー www.rmsbeauty.jp

美容品の規制が緩いことを理解した上で、購入者にできることは、避けるべき成分を学び、購入前に成分表示ラベルを確認することかもしれない。特に避けたい原料は、パラベン・香料・アルミニウム化合物・エトキシル成分・ホルムアルデヒド・ワセリン(石油、鉱油)・ハイドロキノン・タルク・トリクロサン・オキシベンゾン、ジオキサンなど。


オーガニックコスメブランドのアールエムエスビューティ(RMS beauty )創設者で、メイクアップアーティストのローズ・マリー・スウィフトは、『The Pool』のインタビューで、コスメ&スキンケア購入のTIPSとして、「肌を乾燥させるアルコール類(ほとんどが石油由来の合成アルコールである)や、健康なバクテリアを肌から取り除くラウレス硫酸ナトリウム、合成の紫外線吸収剤(合成SPF)、そして、原料の頭に水(又はアクア)と書かれた商品は避けるべき」だと答えている。ラベルに表示されている成分は、できるだけ少なくシンプルであることが望ましいようだ。


認証ラベルも参考に!

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ネイトゥルー認証を取得しているヴェレダ(WELEDA)。

エシカルな商品を提供しているブランドは、自社で“クリーンビューティ”の定義を定め、オーガニック認証や、世界統一基準のコスモス(COSMOS)認証、ヴィーガン認証などを取得し、パッケージやボトルに認証マークを表示しているところが多い。もちろん、オーガニック認証を取得していないブランドでも、基準以上のクオリティを誇るブランドもあるが、認証マークをひとつの目安にすることで、“クリーン”なアイテムを気軽に購入できる。


【オーガニックコスメ認証例】


大手コスメブランドも“エシカル”を意識。

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ドランク・エレファント。Photo by Instagram/@drunkelephant/Drunk Elephant

美容品に対する消費者の意識が高まり、エシカルなビューティーの流行が加速した2015年頃から、大手企業もマーケティングの一環として、頻繁に“グリーン”や“エコ”といった文言をパッケージや広告に使用。また、オーガニックやサステナブルなブランドに限らず、“クリーン”な美容品の開発・提供に真剣に取り組む企業も、増加の傾向にある。


2019年6月、エスティ・ローダー(Estée Lauder)は、動物福祉団体クルエルティフリー・インターナショナル(Cruelty Free International)&ヒューマン・ソサエティ・インターナショナル(Humane Society International)と提携し、動物実験の廃止を推進することを発表。10月には資生堂(SHISEIDO)が、クリーンなスキンケアを提供している人気ブランド、ドランク・エレファント(DRUNK ELEPHANT)を買収し、話題となった。


一方で、製品の内容に反したキャッチコピーの乱用や、環境保護を装う広告は、“グリーン・ウォッシング”に分類されるため、認証マークを参照したり、購入ブランドについて調査機関から情報を得る必要があるといえる。


“クリーンビューティ”へ移行する方法。

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エージェント・ネイチャー(AGENT NATEUR)の創設者ジェナ。Photo by Instagram/@agentnateur/AGENT NATEUR

では、どのように“クリーンビューティ”を日々生活に取り入れればいいのだろうか。ローズ・マリー・スウィフトは、「まずは、素肌を長時間覆う保湿剤やクレンザー、バスソルト、日焼け止めなどのアイテムを“クリーン”な代替品に切り替えることが好ましい」という。肌に塗った成分が皮膚、そして体内に吸収される可能性が高いからだ。


次に、口内から体内に直接流れる可能性のあるリップクリームや口紅。その後、“クリーンビューティ”が生活の一部となる頃には、シャンプーや、コンディショナー、化粧品全般、デオドラントなども安全なものに移行していくことができるでしょう。


エシカルなブログをお手本に!

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グウィネス・パルトロー Photo by Instagram/@instagram.com/goop

また、サステナブルなブランド情報や、エシカルな美容品を発信しているメディアやブログも参考にしたい。日本国内のオーガニックライフスタイルメディアのBIOPLE.jp、“クリーンビューティ”の先駆けとなった、グウィネス・パルトローが手がけるグープ(GOOP)や、カーダシアン家の長女コートニー・カーダシアンがローンチしたプーシュ(POOSH)は、代表的なメディアとして知られ、最旬情報が豊富。


また、クルエルティフリー・キティー(Cuelty Free Kitty)や、エシカル・エレファント(Ethicalel Ephant)では、動物実験を行なっていないブランドを徹底的に調査し、公開しているため、クルエルティフリーなブランドに出会える。

国内外のエシカルな情報をもとに、自分に合ったコスメやスキンケアを見つけ出し、“クリーンビューティ”への第一歩を踏み出してみては!?


【人気のブランド】

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