グリーンウォッシングを避ける方法。
- moekyra
- 2020年6月30日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年6月18日
ホワイトウォッシングが語源の「グリーンウォッシング」は、“環境に配慮しているフリ”や、“サステナブルであるかのように見せかける”ことを意味する。ここではファッション界やエンタメ界だけではなく、美容業界にもはびこるこの造語を紐解いていく。
グリーンウォッシングの生みの親。
世間に浸透しているホワイトウォッシング(Whitewashing)という言葉がある。White(白)とWashing(洗う)を掛けわせた言葉で、当時は、スキャンダルな事件を非道徳的な方法で隠蔽することなどを意味していた。近年では、都合のいい事柄を強調してイメージ操作をすることや、映画やTVドラマに登場する“非白人/有色人種(People of color)”のキャラクターに、肌人俳優をばかりをキャスティングすることを指す。
その“ホワイト”という言葉を、エコな印象を与えるグリーンと変換したのがグリーンウォッシング(Greenwashing)。アメリカの環境保護論者のジェイ・ウェスターベルド(Jay Westerveld)が生み出した造語だ。「企業の収益を目的に環境に配慮をしているかのような誤解を招く情報を提供すること」を意味し、時にはブルーウォッシング(Bluewashing)と呼ばれることもある。
1986年にジェイが発表したエッセイに、「ホテル産業で環境戦略として“バスタオルを毎日洗わないことで環境を守ろう!”とゲストに訴えかけているが、実際には洗濯費用の節約を望んでいる」という内容を綴ったことが発端だといわれている。
美容業界にはびこる“エコ風”。
グリーンウォッシングは、ファッション界やエンタメ界だけでなく、私たちの生活にはびこっている。例えば、米ウォルマートは、2017年に「生分解性可能」および「堆肥化可能」のラベルが付けられたプラスチック製品がカリフォルニア州の法律に違反し、100万ドルを支払ったことが報じられた。また、2011年、ミネラルウォーターの「フィジーウォーター」が「カーボン・ネガティブ」であることを主張をしていたが、2037年までに「カーボン・ネガティブ」を達成することはなく、消費者に誤解を与える広告内容だとして訴訟されている。
もちろん美容界でも同様の動きがみられている。サステナブルやエシカルな美容への注目が高まると同時に、“ナチュラル”や“オーガニック”が人気のフレーズとなったが、それらの言葉には定義がないのが実状。イギリスのソイル・アソシエーション(Soil Association)によると、製品に1%の有機成分が含まれているだけで、例え残り99%に農薬が含まれていようと、“オーガニック”な製品であるとの表示できるという。また、クルエルティフリー(動物実験未実施)と表記しているにも関わらず、成分生産や販売(中国本土での販売には動物実験が義務化されている)の過程で動物実験を行なっている企業が少なくない。
これらを踏まえた上で、美容界では、エコフレンドリーでサステナブルな“フリ”をするブランド・美容品の提供をグリーンウォッシング、害のある成分を含まず、動物実験をしていない“フリ”をするブランド・美容品の提供をクリーンウォッシング(Cleanwashing)と呼ばれている。
クリーンビューティを見極める方法は!?
クリーンな美容品やブランドは、見分けるのが非常に困難だが、直接ブランドに問い合わせるのは手間と労力がかかりすぎる。ストレスなくショッピングをする代案としては、非営利団体らが承認しているブランドを選ぶことがおすすめ。また、信頼のおけるストアで購入することや、ブランドのウェブサイト&成分表示を確認することで、グリーンウォッシュを避けることも可能だ。
クリーン&グリーンな美容品を選ぶ方法。
1. オーガニック認証を取得した製品を探す。
オーガニック認証を取得しているブランドや製品を選ぶことで、ショッピングが容易になる。例えば、COSMOSでは、Soil Association(ソイル・アソシエーション) が、認証ブランドリストを毎年更新しているため、最旬情報を得ることができる。
2. バーコードアプリを活用する。
コスメやスキンケアの安全性を採点しているアプリの「ヘルシー・リビング(Healthy Living)」や、フランス語版の「ミレイユ(Mireille)」を取り入れることで、製品内容を容易に確認することができる。
3. 成分を調査する。
ソイル・アソシエーション(Soil Association)と米エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)では、避けるべき特定成分のリストを公開。また、特定の抽出物が有害である理由も公開しているため、自ら判断することができる。
4. クルエルティフリーのブランドを探す。
製品がエシカルである指標には、クルエルティフリーのブランドを探すことも大切。リーピングバニー(LEAPING BUNNY)や、チューズ・クルエルティ・フリー(Choose Cruelty-Free)では、美容ブランドらの動物実験の有無を認証し、リストアップ。また、クルエルティフリー・キティー(Cuelty Free Kitty)や、エシカル・エレファント(Ethicalel Ephant)では、動物実験を行なっていないブランドを徹底的に調査しているため、クルエルティフリーなブランドに出会うことができる。
参考にしたい認証一覧:
【クルエルティフリー認証】 ・リーピングバニー(LEAPING BUNNY) ・ヴィーガン・ソサイエティ(THE VEGAN SOCIETY) ・動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA) ・NPO法人 動物実験の廃止を求める会(JAVA)
【ヴィーガン認証】 ・ヴィーガン・アクション(Vegan Action)
【オーガニック認証】 ・demeter(デメター) ・NaTrue ・Australia Certified Organic(ACO) ・USDAオーガニック ・COSMOS(有機化粧品基準)