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【保存版】動物実験なしのクルエルティフリー美容とは!? ── 美容界の“不都合な真実”

  • moekyra
  • 2020年12月22日
  • 読了時間: 5分

更新日:2023年8月10日

徐々に知名度が増してきているクルエルティフリービューティ(英:Cruelty-Free beauty)とは、動物実験を行わない美容品を指します。私たちが日々使用しているコスメやスキンケアの多くが、残酷なプロセスのもとに製造され、年間50万頭以上ものウサギやビーグル犬が、犠牲になっています。

クルエルティフリー、美容、動物実験、スキンケア、コスメブランド、動物保護、動物愛護


クルエルティフリー美容のパイオニア的人物とは!?

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動物実験を行わないブランド、イソップ(Aesop)のレバレンス ハンドバーム(75ml ¥3,080)

「残酷な行為のない」を意味するクルエルティフリーという言葉ですが、美容界では、製品の開発・製造・販売のすべての過程において、動物実験が実施されていないこと指しています。「クルエルティフリー美容」のパイオニア的存在のダウディング夫人(Lady Dowding)は、ロンドン出身で生涯をかけて動物の権利を訴えたそう。虐待のない化粧品の開発や研究に尽くし、1950年代にはコスメブランドのビューティ・ウィザウト・クルエルティ(Beauty Without Cruelty)を設立しています。


動物実験の実態。



美容品の動物実験が開始されたのは、1920年頃だといわれており、実験に使用される動物は、ウサギやモルモット、ビーグル犬、マウスなど。人体における毒性を確認するための物質を、目に垂らしたり、皮膚に塗ったり、注射で注入したりと様々な方法で刺激を確認します。JAVAによると、コスメに含まれる成分が炎症を引き起こす状態を観察するため、ウサギやモルモットの毛を剃って皮膚に物質を垂らしたり、あえて皮膚に傷を作ってから成分を塗るなどして、肌の炎症過程や皮膚のただれ具合を確認するそう。目を背けたくなるほどの心痛む実態ですが、短編映画『ラルフを救え』では比較的オブラートに包まれたアニメーションで、その真相を確認することができます。


動物実験を行っているブランド。


毎年、美容品のためだけに殺される動物の数は、世界で50万頭を超え*、実験に苦しんだ後には、殺処分されます。現在では、日本をはじめ、中国やカナダ、オーストラリア、南米諸国、南アフリカ、スリランカ、および東南アジア諸国など、数多くの国々で動物実験が可能となっています。


動物実験を実施しているブランドは数多く、大手ロレアル(L’Oreal)や無印良品、M・A・C、ニベア(NIVEA)、資生堂(Shiseido)、コーダリー (Caudalie)など、ハイブランドだけでなく、馴染みのあるブランや、自然派をうたっているブランドもリストに名を連ねています。なかには、クルエルティフリーを公表しているにも関わらず、動物実験が義務化されている国で販売をするブランドもあり、見分けるのは非常に困難です。



動物実験を行っていないブランド。

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ブランドとして積極的に動物実験の廃止を訴えかけているザボディショップ。Photo by Instagram/@thebodyshop/The Body Shop Official

2013年にEU化粧品指令が制定された欧州連合(EU)では、動物実験を用いて開発された化粧品の販売が全面禁止になり、今ではクルエルティフリー美容の世界最大市場。そんなヨーロッパをはじめ、インドや台湾、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、スイス、グアテマラ、米カリフォルニア州、およびブラジルの7つの州で美容品における動物実験の実施が禁止されています。


美容ブランドで動物実験を行っていないブランドは、ラッシュをはじめ、ジョンマスターオーガニックヴェレダH&M ビューティなど、1000を超える。一方、ここで要注意しておきたいのは、動物実験を行わないことと、ナチュラル系やヴィーガン、高級などブランドのイメージやステータスとの間に相関関係がないこと。例えば、ヴィーガンは動物性成分を配合していないことを意味するため、ヴィーガンをうたっているからといって動物実験を行っていないとは限りません。


中国市場というハードル。


動物実験廃止の障害になっている原因のひとつが、中国市場。中国本土は、美容界においてアメリカに次ぐ2番目に巨大市場(総額4兆円を超えるといわれている)で、本土で販売されるすべての美容品に、中国の研究所で動物実験を行うことを義務付けています。ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)によると、各製品はそれぞれ、3匹のウサギで3回の動物実験が義務付けられ、毎年50,000〜120,000匹以上のウサギが犠牲になっているそう。


なお、2020年の夏に中国が発表したステートメントによると、2021年1月1日付けで、同法律を緩和するとのこと。シャンプーをはじめ、チークやマスカラ、香水といった一般的なコスメ類に関しては、動物実験を実施する必要がないという。しかし不確かな情報である上、ヘアカラーやパーマ、日焼け止め、アンチヘアロス(脱毛防止)、子ども向けの製品などは、引き続き動物実験が行われるので、廃止されたとはいえないでしょう。

廃止活動を行っている団体。


動物実験を禁止している国が世界に40ヵ国あるものの、今も合法化されている国が多く、美容ブランドが実験を推奨しているのが実情。そんななか、廃止を訴えかけている団体もあります。化粧品の動物実験の禁止を訴える活動「#BeCrueltyFree」を行うHSIをはじめ、各団体の活動をチェックしてみて。


一部のリスト:


代表的な認証マークの見分け方。


クルエルティフリー、美容、動物実験、スキンケア、コスメブランド、動物保護、動物愛護
リーピングバニー認証
クルエルティフリー、美容、動物実験、スキンケア、コスメブランド、動物保護、動物愛護
PETA 認証 ©PETA











認証:

認証:

リーピングバニー認証

Animal test-free PETA認証

団体名:

団体名:

PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)

拠点(国):

拠点(国):

インターナショナル

アメリカ

メモ:

メモ:

代表的な認証。チューズ・クルエルティフリー(Choose Cruelty Free)が2021年6月より合同に。

知名度の高い団体の認証。動物実験実施ブランドがリストにまぎれている場合があるので要注意。

クルエルティフリーなコスメを認証している代表的な団体には、クルエルティフリー・インターナショナルPETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)があります。それぞれの団体で、美容ブランドの動物実験の実態を調査し、リストを発表。認証を受けているブランドのウェブサイトやパッケージには、認証マークが表示されています。購入の際には、容器や箱をチェックしてみてはいかがでしょうか。


*世界で最も認証の取得が厳しいといわれていた、オーストラリア発のチューズ・クルエルティフリー(Choose Cruelty Free)は、2021年6月よりクルエルティフリー・インターナショナルに参加しています。



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